星の女子さん③
『水辺・ア・シンメトリー』
撮影:佐藤元紀(Aclos)
Comment
アパートやマンションの屋上にある貯水槽。年に一度は清掃する義務がある。
鉄サビや水のぬめりを洗い流し、水質を飲用に適した水準に保つためのケアだ。
ここに死体が入っていることが、たまにあるらしい。人が溶けた水を人が飲用するとき、そこにどんなドラマが生まれるだろうか。多分、僕ならそんな水、飲まないと思う。
その死体の記憶が体に流れ込んでくるかもしれないし、第一、まずいだろう。
気付かず飲んでしまう人は、よっぽど鼻が馬鹿になっているのか、あまりにも喉が渇いているからか、どちらかだ。でもそんなにも渇いた人が、いるような気がするのだ。もちろん鼻が馬鹿になってる人もいるだろうし、ただの馬鹿だって、そりゃあ、いるだろう。
水は生きるのになくてはならない。以前、とある事情により水道を止められたことがあるが、大変困ったことになった。米も研げないし、顔も洗えないし、トイレも流れない。水がないだけで、生きることは簡単に難しくなるのだ。小学生の頃、夏休み明けに学校の水道の蛇口をひねると、赤茶けた水が流れてきたことがあった。赤サビなのだけど、血が流れたように見えたことを、なんでか忘れずにいる。なんでかというか、恐かったからだけど。
渡山博崇
Date
2012年5月25日(金)~27(日)全6ステージ
会場:名古屋市青少年交流プラザ(ユースクエア)
作・演出:渡山博崇
【出演】
岡本理沙
滝野とも(てんぷくプロ)
鵜飼七菜子(電光石火一発座)
今枝千恵子(眼鏡倶楽部)
棚橋愛(劇団「牛乳地獄」)
山本一樹(演劇組織KIMYO)
杏珠有美(フリー)
【スタッフ】
劇作・演出|渡山博崇
舞台監督・装置|柴田頼克(電光石火一発座/かすがい創造庫)
舞台美術|塚田泰一郎(テラ・インコグニタ)
照明|則武鶴代
音響|鈴木sun・尾宮亜里沙
宣伝美術|水原月子
企画・製作・主催|星の女子さん